何事もなかったかのように普通に朝食に手を伸ばし始めていますけど。
しかしここは私もちゃんと考える。
素早く脱衣所に入り、ワカさんが持たせてくれた服に袖を通し身支度を済ませる。
そして慌ただしくシオンがいる部屋に戻り、素早く帯剣。
これでもう簡単には負けません!!!
「…絶対許さないから!」
「へえ。」
「ちょっと!?反省もなし!?本当に怒ってるんですけど!?」
「俺もう嫌われないらしいんで。」
ほう。
言ったね。私が確かに言ったし実際本当にそう思ってるよ。感謝もしてるし尊敬もしてる。
「要は嫌われなきゃ何でもいいってことですか?」
「それで充分です。」
「…その低姿勢は褒めるべきだろうけど。私、自分の非を認めない愚か者を好きにはなりませんから。」
私は恋というものを徐々に学んでいる。
はっきり言われたわけではないが、恐らくシオンは私に少なからず好意を持っている…と思う。
シオンが私を求める熱は、るうやアキトのソレと似ている気がするから。
「……すみませんでした。」
なのでこうして、反省させることが叶うのです。
「総司令さんに会わせてくれるなら許さないでもない。」
「…俺以上に策士ですね。」
「えっ、嘘。嬉しいっ!」
「喜ぶとこじゃねえよ。」
シオンに策を褒められることほど喜ばしいことはありません。
「で、いつ会わせてくれる!?」
「…貴女が例の作戦で陛下に召集される時に。」
「遅いよ!それ別にシオンに会わせてもらわなくても頑張れば自分で会えるやつじゃん!」
「……。(アレに会わせると俺との繋がりがバレる。いずれバレるにしても、今はまだ時じゃない。しかし全然引き下がりそうにないし。どうするか。)」
何やら考え込んでいるな。
シオンも将軍としての立場上、難しいことなのかもしれない。私の我が儘に巻き込むのも悪い気がしてきた。
「…悩ませてごめん。許す条件変える。」
「…今度は何ですか。」

