「っ…。」
「シオンはまたちゃんと隠れててねー?」
「…はぁ。」
「寒いけど頑張って起きようー。」
シオンに伸ばしていた手を引っ込めて、更にシオンの腕の中から脱出を図る。
「…シオン?」
「…何ですか。」
「あー自覚ない?」
「は?」
その変化は些細なもので。
僅かに下がった眉尻と、不服そうに動いた唇。
「よ…っと。」
私はそのまま上半身を起こす。
そしてぽんぽんと自分の膝を叩く。
「おいで?」
「…は?」
「寂しいって顔に書いてるよ?」
「……は?」
だから膝枕でもしてあげようと思った。
最近安売り転売してます。
しかし、未だ高評価継続中なので。寝起きなので夢の世界には行かせてあげられないけども。それでも良ければと笑いかける。
「ハルが膝枕好きなの!」
「…くだらない。」
口とは裏腹に、ころんと膝に頭を乗せたシオン。
素直じゃない…と言うか。これは性格の歪みが問題なんだろうな。
そんなシオンの髪を再び撫でる。
「狼さんだー。」
「腹立つ。」
「本物の狼もこんな感じなのかなー。」
「…知りません。」
どこか寂しさが薄れたシオンを見て、私も安心した。
「実は、トキにちょっとだけ話聞いちゃって。シオンとトキにはお母さんがいないって言ってたから、遅れ馳せながら心配だったの。」
「…貴女に心配されても。」
「トキにはシオンが居ただろうから大丈夫だったと思うけど、シオンはどうなのかなって。」
「…別に。」
トキはシオンに甘えられたけど、シオンが甘えられる…心を許せる人は居たんだろうかと。
勝手に不安に思ってしまった。

