パパやハル。
そんな指針となるべき人が土台を作っているのなら話は別だ。だけどそうじゃないし。
政も絡めつつ軍事を取り締まる何て芸当は、私には出来ない。
「…王族って、どこまでも責任が伴うからね。私一人で背負えるものじゃないの。」
「そう言うものか。」
そう言うものです。
民の生活、その命、そして国そのものを背負えるかと聞かれると私には絶対に無理。
「…ハルの気持ちが少し分かる。」
「何の話?」
「あんたが居て、大切にする国なら、何の感情がなくても守れるだろうな。」
それは本当にハルが現状置かれている状況そのもの。
普通なら簡単に理解が出来ないそんな気持ちを、理解出来たシオン。
「ふーん。」
「少し出掛けてくるんで、大人しくしててください。」
「わかった!」
「…。(ムカつく。)」
部屋を出て行ってくれるというならと、愛想良く返事をしたせいで去り際に少し睨まれはしたものの。
ようやく一人になれた私は、歓喜のあまり即寝。
落ち着ける環境というのはやっぱり大事ですね。有り難いですね。

