どうにかなりませんか。
私もうシオンと一緒にいるの怖いのよ。
アキトもそれはそれは邪だったけど、今思えばアキトって人の気持ちを汲み取る力が長けているので、私が本気で嫌がらないように適宜対応していたんだと思う。
でもシオンは鬼畜なので、私が嫌がろうが泣こうがお構いなしなんだもん。
「こちらは…構いませんが。」
「ありがとう!私お部屋移動します!」
「それはいけません。姫様には一番良いお部屋に泊まっていただかねばなりません。」
「気にしない気にしない!私廊下でも大丈夫だから!」
するとギョッと驚かれる。
宿主さんは中々首を縦には振らない。
「…姫、我が儘は程々にされては?」
「ちょっと黙ってて。」
起きてたのかコイツ。
シオンが割って入ったせいで、纏まる話も纏まらず。私の新たな部屋は結局準備されず。
宿主さんは誰かに呼ばれて行ってしまう。
「…振り出しじゃん。」
「諦めが悪い人ですね。もう黙って食われればいいのでは?」
非道なことを言い始めたシオンを、とにかく蔑むように見る私。
「…冗談です。」
「…次私に触ったら二度と口きかない。」
私はそれだけ伝えて、寝てしまおうと思いベッドに横になる。
もちろん警戒は怠らない。シオンが血迷って近付こうとしようもんなら直ぐに逃げてやる。
「…あんたは本当に変わってる。」
「シオンに言われたくない。」
「…あんたがこの国の姫だったら、確かに面白そうだな。」
さっきの宿主さんとの会話。
やっぱり聞いていたようで、絶対に有り得ない想像をしていると思われるシオン。
「私にはたぶん無理だよ。この軍事国家を支える何て出来ない。」
「寧ろ容易いんじゃ?」

