そんなことに驚く街の人。
それを見ていた他の方々も次々に集まって来て、私はまずいと焦る。
…シオンを隠さなきゃ。
「あ、あの…もうご迷惑はかけません。私はこれで失礼しますね。」
「お待ちください!姫様!!」
「いや、私もう姫やめたので姫様やめてください!失礼します!!」
「いいえ!我々の無礼もお許しください!!」
「何の否定なの!?許すも何も私の不注意なので無礼でもなんでもないですよ!?」
何なんだこの人は!?
全然折れてくれないね!?
「先程の軍はこのエゼルタの姫…ユイ姫様直下の軍。あなた様が追い払ってくれなければこの街の被害は想像もしたくないものでした。」
「だ、だから…私のせいで来ちゃったので!悪いのは私なので!許しを乞うべきは私ですっ!」
「アレンデールの姫とは…こうも健気でお優しい方だったのか。そうとも知らず大変失礼しました。何もない街ですが、どうかゆっくり過ごしてくださいませ。」
逆に頭を下げられてしまう始末。
他の街の方々も次々に私に向かって頭を下げてしまう困った状況。
なので私はチラッとシオンを見る。
「…お邪魔すれば良いのでは?」
「簡単に言わないでよ。またあの人達来たらどうするの。」
シオンはこの街に滞在すれば良いと無責任なことを言うが、私はこれ以上迷惑を掛けたくはない。
「俺はどこにでも着いていきますよ、姫。」
「っ!?」
まさかシオンに姫と呼ばれる日が来るとは。
しかもどこにでも着いて来るつもりだったの!?聞いてませんけど!?
「お連れの方も是非!私の宿で疲れを癒してください!」
宿主さんだったのね!?
そして私が頑張って引き下がるも虚しく、結果宿に押し込まれた。

