そして、胸が痛い。
シオン頑張って頼んでくれたんだもんね!?私が自ら撒いた情報なのにね!?
お姫様のことも好きじゃないだろうに。
「…情報屋に目をつけられてます。とりあえず俺が殺しとくんで、しばらく大人しくしててください。」
「そんなことで殺さないで!?」
何と言う強行手段。
このままではカイが危険です。
たぶん私がシオンにカイのところで働いていることを話すのは、カイ的には問題ない。
問題は近付くなと言われていたパルテノン王都に、私がまんまと足を踏み入ってしまったことを怒られる可能性。さらにそれを黙っていたせいでシオンに苦労をかけてしまって追加で怒られる可能性。
総合的に加味すると、非常に悩ましい問題だ。
「と、とにかく穏便にね。私は大丈夫だし。第一シオンがそんなこと気にしなくていいから。」
「割と大事です。この調子だとどこに間者がいるか分からない。貴女との関係がバレると俺も困るんで。」
「じゃあ一緒にいるのやめた方がいいかな?」
「それが嫌だから消すんです。」
わー。
何かもう、説得出来る気がしません。
「…シオンごめん。」
「何の謝罪ですか。」
「…エゼルタに私の情報が流れたの、私も同意の上なの。」
「……は?」
カイには後々報告するとして。
とりあえず今カイの仕事のお手伝いをしていることと、拠点として住ませてもらってることをシオンに自白。
そうでもしないとシオンは本当に何を斬るか分からない。
「…あー。頭痛い。」
「ごめん!シオンがそんなに気を回してくれてると思わなくて!」
「ちょっと待ってください。」

