シオンは納得出来てない様子で。
私を睨んでいますが、臆する私ではありません。
「…怒ってる?」
「当たり前。」
「シオン私が戦うの嫌?」
「嫌。」
あからさまに嫌そうなシオン。
そんな姿を見て思わず笑ってしまう私。
「自軍を想ってってわけじゃないよね?」
「…分かってて聞いてますよね。」
「一応確認しとこうと思って?」
「…貴女に怪我でもさせようもんなら軍律違反でも俺が斬ります。」
それが聞ければ充分です。
後ろ髪引かれることなく私が斬れます。
「手出し無用だよ。怪我はしない予定だからねー。」
「……。」
「今日のシオンはご機嫌斜めだねー。」
「…分かるんですか?」
「結構分かりやすいよ?」
「言われたことないですけど。」
みんな言えないだけじゃないかな。
アキトの城で会った時とはこんなにも違う。元気もなければ機嫌も悪い。ニコリともしない。断じてそのままでいいけど邪感も薄い。
「…俺は、貴女に守られるのは御免です。」
「へー。」
「……。」
「…ん?」
ゆっくり起き上がったシオンが、私に手を差し出す。
意図が分からずそれを眺めている私の腕をやや強引に掴み、私まで引っ張り起こされる。
「今向かってきてる軍。今朝出来る限り止めようと尽力したんですけど、総司令とユイ姫が中々折れなくて。力不足ですみません。」
「そ、そんなのシオンが謝ることじゃないじゃん!」
「…朝から大いに揉めてイライラしたのを若干引き摺ってたところに、派手に貴女が降ってきたので。」
「ごめんなさい!?」
そうか。
それでこんなに機嫌悪かったのね。
「…何故か貴女が現れるのバレてたんですよね。」
「…へー。」
カイの手回しが早すぎる!!!
そして私がここに来る情報、エゼルタに売っちゃったのね!鬼め!!!

