だって!何もすることないじゃん!
天気予報しに来たんだもん!街に居られなくなったのは私のせいですけど!
「軍はどうするんですか。」
「普通に追い返す?」
「相手するつもりですか。」
「え、だめ?」
パルテノンではあまり剣抜けないので。
戦前にここで良い練習相手が出来たかなってポジティブに考えてました。
「…俺、手は貸せませんよ。」
「いりませんよー。」
「ほんとムカつく。」
「だからなんでそうなるの!?」
何に怒ってるのか分かりません。
「貴女…」
「ちょっと待って。」
シオンの言葉を遮ったのは私。
何を言おうとしたのか見当はつかないけど、思わず止めてしまった。
「…ちょっと名前忘れそう。」
「は?」
最近名前を呼ばれる率が少なすぎて。
“お嬢”にようやく慣れてきたところに“貴女”と来たら、もう私何ってなって来た。
「…名前が何ですか。」
「…何でもない。」
「呼べってことですか?」
「呼ばなくていい。」
あ、言い方キツかった…と言うか態度悪過ぎた?
流石に私が反省するほどシオンが私を睨んでいる…気がする。
「ごめん、悪気はないんだけど。シオンに名前で呼ばれちゃうとせっかく優しいのみんなに伝わらないじゃん。」
「どんな伝え方だ。」
「嫌なことあって怒ってるのかもしれないけど、元気出して?風船の研究について話そうかー?」
「…アホらし。」
シオンはごろんと横になってしまった。
さて、私はこれをどうしたらいいんでしょうか。不思議ですね。捨て置きましょうか。

