とにかく良い方には事は進みそうにない。
ので、とりあえず街の人気のない方へ私は進むことにしました。
「うー。私の馬鹿。」
せっかくの新しい街なのに散策も出来ない。買い物も出来ない。何なら追われそう。
「魔女だ!アレンデールの魔女が現れた!」
「街が焼かれるかもしれねえ!とにかく城へ報告しろ!」
街の人たちがあることないこと騒ぎ始めた。
焼かないし。
けど、信用なんて皆無で当然。然るべき対応だと思います。
「…これじゃシオンにご迷惑だなー。」
「全くです。」
ボソッと独り言を呟いたはずが、返事が返って来たので私は落ち込む顔を上げる。
目の前に外套で身を覆う人。
フードで顔も分からないようにしているが、それがシオンだと声で分かった。
「…あ、どうも?ご無沙汰してます?」
「何でこんなことになってんだよ。」
再会早々、無礼モードのシオンさん。
「降りる場所を大いに間違えました。」
「どう間違えればこうなる。」
「すみません。」
「…もう時期軍が来ます。俺見つかるともっと厄介なんで、とりあえずこの街出ましょう。」
まだ何にも楽しめていない街を、泣く泣く後にするしかなくなった。
シオンもとっても機嫌が悪そう。
「…ごめんね。」
「…貴女は本当に厄介ですね。」
「だからごめんって!こんなに怖がられるなんて思わなかったんだもん!」
「…もういいです。」
二人揃って隠れなきゃいけない状況。
予想外な展開です。

