二人で仲良く盛大な溜め息を吐いて。


ハルはより戦に気合いが入り、るうはまた私がどう過ごしているかを心配し。




「…会いてー…。」


「言うな。移るだろ。」



会いたい気持ちは募っても。


人に移るものかは怪しいが、るうの理論では移るらしい。




「あ、ハル。良い加減土地寄越せ。」


「しつけえな。嫌だったら嫌だ。裏の土地は俺のもんだ。誰にもやらんし分けん。」


「リンがほしいっつってんだよ。」


「リンにならやるが、お前にはやらん。」



まだ未解決らしいるうの住所問題。


仏心のない地主を相手に、るうは無事に家を建てることが出来るのでしょうか。




「…誕生日までには間に合わねえな。」


「ざまー。」


「この性悪地主。別のもん用意しねえと。」


「俺は決まってる。」



今年の私への誕生日プレゼント、ハルはもう決まっていると自信満々の様子。


毎年、ハルはあんまり悩んでる様子はない。




「将印の次は何だよ。」


「旅行だ。」


「汚ねえ。喜ぶの確定じゃねえか。」


「リンのことは俺が一番分かってるからな。」




後に、ハルはるうに土地を分け与えざるを得ない状況となり。


後に、この旅行計画はハルの思い描く甘いものとは全く別の旅行になる。




…それはまだ、誰も知り得ない話。