(二)この世界ごと愛したい




そしてシオンから顛末を聞いている。



だから私はカイに教えてほしかったわけじゃなくて、本当にただの興味本位だった。


カイの能力。


そしてカイが私をどこまで信用しているのか。



それを、知りたかっただけ。




「…なあ、お嬢?」


「うん?」




「俺と、戦のない世界を作らへん?」




そんな素敵な夢の世界。


作れるものなら作ってみたい。



カイとおーちゃんが目指している、そんな優しい世界。





「…ごめん。」



その申し出を受ける資格は、私にはない。





「おーちゃんには言ったけど、私の戦い方とは似て非なることだよ。私の戦う意味とは違いすぎる。」


「お嬢も方向は同じやと思っとるけど?」


「…方向はね。やり方も動機も全然違う。」



方向だけは、本当に似ているのかもしれない。


でも、いざとなれば私は戦と言う手段を平気で選択出来るし、きっとまた大勢殺せてしまう。



…私の正義は都合が良いから。






「私はね、この世界が本当に好きだよ。中でもアレンデールは大切に思ってる。」


「そうやな。」


「…そう思ってるから、私はカイの思想には乗らない。」



そう。


アレンデールを大切に思うがあまり、もしもの事態には私は何でも裏切れてしまう。





「大好きなハルがいる、そんな大切な国がある、愛すべき世界を守りたいって確かに思ってる。だけどこんな不純な動機だから、私はやり方は厭わない。」


「……。」





「だって私、ハルのためなら殺戮兵器になれちゃうもん。」