今更ですが、私は詐欺にあったんでしょうか。
「お嬢、どんまい。」
「おーちゃん、慰めるよりどうにかしてよ。」
「…カイあんまり酷使せんとってな。俺がお嬢とおる時間なくなるやん。」
おーちゃんナイスアシスト!
「大丈夫やで。このエゼルタの刺客片したらオウスケはお嬢と動いてもらうし。」
「あの刺客エゼルタだったの?」
「せや。お嬢が俺にエゼルタ王のこと聞いたやろ。あの件での刺客。」
「…そっか。」
ヘビーな話ですね。
けど、カイはその詳細を私に話してはいないし。話すつもりもないんだろう。
「やっぱ王様が病に倒れて更にその娘にほとんど政権奪われとるなんて話、重たいし入手した時ヤバいと思ってんなー。」
…おい???
「……あの?」
「病は病でも、過労と心労も相まって回復が中々難航しとるらしいけどなー。あの娘に日々あれだけ悩まされとったら嫌にもなるわなー。」
その話って、私が先日聞いた時は教えてもらえなかった情報で。それくらい重い話だということも、私はちゃんと分かっているつもりだ。
「…これで、お嬢も頑張ってな?」
「はい?」
「本来ならこんなネタ、他国の王族レベルにしか売られへんし。見返りもそれ相応のもん貰うけど。」
「で、ですよね。」
私はエゼルタ王が病気なのは知ってた。
婚儀に出席したエゼルタ王だが、レンと私が挨拶に行く時に会うことが叶わなかった。あの時の王の代理の人の感じを、何となく覚えている。
急用のため席を外していると、戻り次第声を掛けると言われたが結果声は掛からず。祝辞だけを残して帰国した様子だった。

