(二)この世界ごと愛したい




「ってことで、戦に行く前にお嬢に宿題出すな。終わったらいつでも行ってええよ。」


「宿題?」



サッと私の前に差し出された紙。


というか、地図。




「…なに、この印。全部番号が…ん?番号は国…記号で場所…?」


「俺の拠点。俺の鷹はこの場所全部行けるから。」



つ、つまり。


百以上あるこの記号番号を覚えろと。



これを私が記憶すれば、カイの指示でその場所に行く私が再度カイの指示を受けることが出来て。


私の出現情報を効率よく売り捌ける。




「お、鬼!金の亡者っ!」


「やっぱ察しがええなー。あんまり公に出来ひん地図やから、頑張って覚えてな。」



恐ろしい人だ。


しかもさりげなく覚えるまで、戦に行くなって言ってた?




「カイ、本性出てんで。」


「あーもうええわ。お嬢もここまで手の内晒してくれてんから、俺も晒さなな。」



カイの本性とは。


今見ているこの悪い顔とか?実はとんでもなく邪大好きなおじ様とか?




「私の手の内って?」


「鷹のこともそうやし、天候も読めるんやろ?」


「天候読むって何!?神業やん!?」



別に隠したいと思ったわけじゃないから、ここで手紙を書いてたんですけど。




「覚えるのは構わないけど、その指示もらって都合悪くて無理な時はどうしたらいいの?」


「俺より大事な都合なら、その内容と行き先だけ書いて送り返して。」


「な、なんか棘がありません!?カイより大事かどうかは分からないけど。無理な時は断って良いって条件だったよね!?」


「あん時はな?今はちゃうで?」



いつ雇用条件変わったの!?!?