本日明らかになった、このオヤジ紛いな発想がなければ本当にただの良い人だ。
「ご馳走様ー。」
「お嬢、今日はどないする?」
朝食のお礼を伝えると今日の予定を聞かれる。
「…手紙を、書こうかな。」
「手紙?誰に?」
「ハルとシオン。」
ビッグネームの二名に驚いて、何を書くのかと更に質問されるがそこははぐらかした。
せっかくエゼルタに行くんだったら、用は早めに済ませたい。
何せこのカイの情報網を使って、私という存在で世界を動かせるのなら。
…これから大忙しになる。
「ちょっとお店の前にいるねー。」
声をかけて。
外に出て空気の流れを読む。
今回、主に読みたいのは天候。ハルに手紙を書くのは戦前後の天気を知らせたいため。
「ハルは晴れ男だからなー。」
雨の気配など微塵もない。
相変わらず、太陽を呼び寄せてしまうんだな。ハルは。
そしてエゼルタで天気予報しようと、シオンと約束をしたので。少し早いけど、ここで断られても大義名分守られるだろう。
私は得た情報を持ち帰り、カイに紙とペンを借りてツラツラと書き始める。
「…字、綺麗やな。」
「おーちゃん近い。」
私が手紙を書く様子を、かなり間近で観察するおーちゃん。
内容まで見られてしまっているので、おーちゃんにはデリカシーというものがないらしい。ハルと同じだな。
「よーし。ハルにはこれでいいや。」

