「お嬢、コーヒー置いとくで。」
「…うん、ありがと。」
「「…。(元気ないなー。)」」
着替えてしまえば、もう血迷うことも慌てふためくこともない二人。
年の功というやつですね。
そして置かれたコーヒーの前に座って、カップに手を伸ばすと。
カイが切り込む。
「お嬢耳弱いん知らんくて、堪忍な?」
「…き、気にしてない。」
「天帝が羨ましいわー。」
「…何が?」
アキトが羨ましいとは異なことを。
「天帝の城で寝たんやろ?」
「そりゃ…うん?」
「あれ?まさか天帝も弱点未開発か?」
「開発?」
自分が馬鹿になったのではないかと思えるほど、カイの話は難解で。
よく分からないまま話だけが進む。
「カイ、お嬢分かってへんのちゃう?」
「そんなわけ…。お嬢は天帝に毎晩抱かれててんから、なあ?」
…ちょっと待ってくれ。
朝から一体何の話だ。それも人が落ち込んでる時に。
「〜っそ、そんなこと出来るわけっ…。」
「……は?」
アキトではなくシオンには、若干喰われかけたが。
でもあれもトキに救出してもらったので未遂ですし、カイは私のことそんな風に思ってたの!?
「ま、まさか…純潔?あの天帝が手も出さずに過ごせるん?お嬢相手に…?」
「…カイ嫌いになりそう。」
「それはあかん。お嬢ごめんな。けど大事なことやねん。その麗しい純潔、俺がオウスケから守ったる。」
「何で俺が被害被ってんねん!?巻き込むな!?」

