おーちゃんは突然顔を赤くする。
今回は私のが伝染してしまったらしいが、その顔もまた可愛いんです。
「った、助けるのは当たり前やし!」
「…残念ながら私の周りにはあんまりいないよ。そんなヒーローみたいな人。」
「おるやろ!?天帝も鬼人も白狼もよりどり緑やん!?」
「その三人がヒーロー?」
何の冗談だ。
唯一近しいものがあるのはアキトかな。
ハルとシオンが進んで人助けなんてするイメージ、悪いけど全くない。
「ほんの僅かに可能性があるとしたらアキトだけ。残りの二人は助けるどころか平気で見捨てると思うよ。」
「白狼は何となく分かるけど、鬼人は兄貴やろ?優しい兄貴が好きなんちゃうん?」
「ハルが優しいのは基本的に私限定なの。」
ハルが私以外の人に優しくするとしたら、まだ身内くらいだろうか。
それ以外には口悪いし横暴だし乱暴だし。
「そういや将印も渡されたんやったか。俺には気持ち全く分からんわ。」
「だよねー。」
「…お嬢がそれで嬉しそうなんも良く分からん。」
「あーでもハルは狭義ではヒーローかもね。」
おーちゃんはみんなのヒーロー。
誰でも守る、見捨てない、救い上げる。もう揺るぎない正義のヒーロー。
「ハルは私だけのヒーローです。」
「これはもうお互いが馬鹿なんやな?」
「簡潔に言えばそうですー。」

