再び一人になった私はベッドにごろんと横になる。
私が横になるとすかさずミケさんも側に来てくれて、一緒に寝てくれるらしい。
「…あー。」
そういえば風船どうしよう。
一個だけ割ってみる?心痛むけど割っちゃう?
でもどうせ割るなら可燃性の気体なのか不可燃性の気体なのかそれだけでも知りたいな。
「よし。」
一個だけ風船を手放そう。
私はこの場で一つの風船に小さな炎を撃つ。
…バンッ!
破裂音がするだけで、爆発はしない。
「っ何や今の音!?」
そしておーちゃんが戻って来てしまう。
隣にいたミケさんもビクッと体を震わせたので、私は横になったまま反省。
「…水素じゃない。何かしらの不燃系のガスが有力…かな。けど炎の消え方的に酸素を包含してないから大量吸気は危険…ね。」
「……。」
「おーちゃんごめん、風船一つ壊しちゃった。」
おーちゃんは黙ったまま入り口に佇んでるかと思いきや、そのまま私の方へ近寄る。
「壊れたのは風船だけちゃう。」
「うん?」
「…俺も壊れとる。」
私を引っ張り起こして、おーちゃんがまた私を抱きしめる。
「何かあったんちゃうかって一瞬焦った。」
「…あ、音大きかったね。ごめんね。」
「まだそんな格好でおるし。」
「もう帰るんだろうしいいかなーって油断しました。」
…もしかしてマズい?
こんなに可愛いおーちゃんなのに、まさか本気で邪になんて…ならないよね?
「お嬢?」
「は、はい?」
「心配せんでもこれ以上のことなんて何もせーへん。」
素直な私の心は、おーちゃんのそんな言葉に分かりやすく安堵する。
だよね!ヒマリさんのことでまだ傷心中だもんね!最初から大丈夫だったのか!焦って損した!

