今日は倉庫で不本意ながら昼寝したので、まだ元気ですけども。
元気なら元気なうちに風船をそろそろ開きたい。
「座れ!」
「え?」
「髪!」
私を強引に座らせて、タオルを持って来たおーちゃんは何と髪の毛を乾かしてくれるらしい。
「乾かすの上手だねー。」
「…兄弟多いからな。妹たちの昔やっとったし。」
「何人兄弟なのー?」
「六人。」
多っ!?
単純私の倍じゃん。
「凄い大家族だねー。おーちゃんは長男…なわけないか。」
「なんでやねん!」
「予想は次男。」
「当てるんかい!」
おーちゃんは次男だそうでーす。
「私は長女でーす。」
「みんな知っとるわ!」
「そうなのー?」
「アレンデールの姫言うたらそら有名やし。…あ、そうかお嬢姫やったな。」
元ですが。
姫やらせてもらってました。
そんなことに今更気付いて思わずピタッと動きを止めてしまったおーちゃん。
「…おーちゃん?」
「他国の姫に俺は何してるんやろ。」
「元だけどねー。」
「姫かー。全然そんな感じせーへんし。お嬢一体何なんやろ。」
貶されてるのかな?
姫らしさに欠けると言いたいらしいおーちゃん。私も自覚あるので良いんですけど。
「姫として出会ってるわけじゃないから尚更だよね。別に私も拘りないから普通でいいよー。」
「…これでええか。」
私の髪の仕上がりに満足したらしい。
「ありがと。」
「はよ寝るんやで。」
「はーい。」
しっかりご飯を食べ終えたミケさんのお皿を持って、おーちゃんは部屋を出て行く。
何番目の兄弟か知らないけど、立ち回り上手いな。流石次男。

