そうは言っても、やはり疲れの色が浮かぶカイ。
私は飲んでただけなので少し心が痛む。
「カイ、今日も一緒に寝るの?」
「「…は?」」
昨日一緒に寝てたっぽいし。
疲れてそうだから帰るのも辛いんじゃないかと思って声を掛けたつもりです。
「…俺今日は家帰るわな。」
「そっかー。無理しないでね。」
それにしても、二人のお家はどの辺にあるんだろう。
今度行ってみたいなー。
「お嬢!?お前簡単に誘うな!?」
「誘う?」
「カイはこう見えてもエロ親父やぞ!?」
ゴツンと。
カイの拳骨がおーちゃんの頭に落ちる。
「いって!」
「お前俺を陥れるとは何事や。」
何やら二人が仲良く揉め始めたので、片付けもひと段落していることもあり。
私は上の階で休ませていただこうと思います。
「じゃあ、おやすみ?」
「…あ、オウスケ。ミケに餌やるん忘れとった。俺もう帰るし代わりにやっといてくれ。お嬢おやすみ。」
「ちょ、カイっ!?」
足早と帰ってしまったカイ。
おーちゃんは取り残され、何やら慌てている。
片付けを終えた護衛の方もいつの間にいなくなっていて、酒場にはおーちゃんと私だけ。
「何か大変そう?私ミケさんのご飯あげとこうか?」
「…大丈夫や。」
「じゃあ私先にお風呂入るねー。」
「ふ、風呂っ…!?」
…邪め。
と思ったけど、さっさと済ませて休みたい私は浴室へ直行。
今日は刺客撃退して倉庫に閉じ込められて、割と忙しかったけど。おーちゃんと仲良くなれたし、酒場でまた色んなお話も聞けたし。
それなりに嬉しい一日だった。

