「リンちゃーん!」



朝一番。


アキトの部屋にハナちゃんがやって来る。




そんなハナちゃんの目に飛び込んで来たのは、私を抱えるように眠るアキトの姿。





「アキトさん何してるんですかっ!?」




寝起きの悪い私も思わず目を開けてしまう程のハナちゃんの叫び声。





「う…んー…?」


「あーハナうるせえ。リン起きたじゃねえか。」




ワナワナと怒りに震えるハナちゃん。




「リンちゃん大丈夫っ?」


「は、なちゃ…?」


「っ…可愛すぎて危険!リンちゃん早くアキトさんから離れて!!!」




私はハナちゃんにグイグイと引っ張られ、そのまま部屋を連れ出される。


向かう先はどうやら浴場のようで。



下の階なので、覚束ない足でハナちゃんに手を引かれながら階段を降りていると。


やっぱり覚束ないので落ちます。






「リンちゃっ…!!!」



ハナちゃんが慌てて声を漏らす。


私の身体は余裕で落下へ向かうものの、私はまだまだ眠いので反応なし。






「…おっと。危ないなー。」




そんな私をギリギリで受け止めてくれたトキ。





「リン、ちゃんと起きて。ハナも階段危ないから気を付けてあげて?」


「ごめんなさいっ!」


「リーンー?」


「…んー。」




眠いものは眠いんです。


私だって早く起きたいんです。






「あんまり起きないなら、このまま俺と寝る?」


「ええっ!?」




私よりもかなり驚いているハナちゃん。