カイの酒場に帰って来ると。
仲良く手を繋いで帰ってきた私とおーちゃんを見て、固まるカイがそこにいた。
「…え?デキたん?」
「そんなんちゃうわ!!!」
「デキるって何が?」
驚いているカイと謎に慌てるおーちゃん。
デキるとは何か疑問の私。
「オウスケ良かったなあ!」
「やからこれはっ…あれや!お嬢が暗いとこ閉じ込められて怖い言うからや!」
「優しい男になったなあ!」
「俺は元から優しいわ!!!」
どこか嬉しそうなカイは、ニコニコとおーちゃんを宥めている。
私のことは無視ですね。
「…あれ?上にいるのワカさん?」
「そうやで。お嬢そろそろ客来るし着替えておいでー。」
「はーい。」
また楽しいお話が聞けると私はウキウキしつつ、上に上がろうとする。
…が。
「…おーちゃん、手。」
「は?」
「いや、何?一緒に着替えるの?」
「は…はあっ!?」
着替えに行きたいのに私の手を離してくれなかったおーちゃんに声を掛けた。
すぐに我に返ってパッと手を離したおーちゃん。
「じゃあ着替えてくるー。」
パタパタ上に上がった私を微笑ましく見るカイ。
若干睨みながら見るおーちゃん。
…これが大人と子供の差です。

