とりあえずサクだけでも早く帰らせてもらったらどうかと助言し、サクは颯爽と馬を走らせて行った。
ハナちゃん喜ぶだろうなー。
「…結婚か。」
マサにも嫁に来いと言われたが。
やはりどうにも私は結婚というものに心惹かれない。まず家庭に入りたくない。私は外にいたい。
『俺にとっては、リンが最初で最後のお嫁さんだから。』
レンは、元気に過ごしているんだろうか。
私のことなんて忘れて、幸せな未来にどうか手を伸ばしてほしいと思っている。
「…深刻な顔してるね。」
「そんなことないよ。トキもサクと先に帰ってもいいんじゃない?私で良ければ行軍見てようか?」
この帰路を辿る行軍の、かなり後ろの方にいる私の元に先頭付近にいたはずのトキがやってきた。
「もう帰るだけだから大丈夫だよ。それよりリンと話したいことがあって。」
「なにー?」
「パルマの街の件ってリンの作戦だよね?」
「……。」
やはり、私に劇団女優は無理だな。
バレる人にはバレてしまう。
「答えは知ってるから答えなくていいよ。あと、その後の連合軍撃退の話なんだけど。」
「うん?」
「…ごめんね。」
「え?」
何故、トキが謝るんだ???
「また改めて話すけど、先に謝っておこうと思って。」
「なんでトキが?」
「俺も無関係ではなかったから…かな。」
余計に分かりません。
あの連合軍は私の力を狙ってやってきただけ。別にトキには何の関係もないように思うけど。
でもトキが改めて話すと言ったので、今は特に追求はしないでおこうと思った。気にはなるけど。

