「思い入れある剣か?」
「…宝物かな。」
「そら手放せんな。」
そう言ったおーちゃんがどこか遠くを見ていて、私は何も言えず。
やっぱ地道に鍛える…か。
「火事だーっ!!!」
ボーッと考えながらミケさん探しを続けていたら、突然住人の大声が耳に届いた。
…火事???
「次から次に最近何やねん。」
「おーちゃ…えっ?」
おーちゃんどうするって。
聞く暇もなく握られた手。私の手を握ったおーちゃんが、問答無用で現場へ駆け出す。
…やっぱ正義のヒーローっぽい。
「燃えすぎやろ。」
「…風だよ。今日は一段と吹いてるから。」
「逃げ遅れおらんやろな。」
「…ちょっと待って。」
現場に到着して、その火の回る早さに驚く。
私はレーダーで燃え盛る建物の中に人の気配がないか探ってみる。
「…三…いや、四人。三人は固まってるけど、もう一人は上かな。」
「お前すごいな!?」
「おーちゃん一つ質問だけど、私が魔女だってバレるとカイにご迷惑かな?」
「そんなん言うてる場合ちゃうけど、バレへんに越したことないな。」
やっぱ出来るだけバレずに動くしかないか。
バレても良いなら一瞬だったけども。
「…面倒だけど仕方ないか。」
私は小さな不燃の炎を一つ、建物に向けて放つ。
人目にも付かない地味なその炎が建物に触れたと同時に、火事場の炎を不燃の炎で覆う。
「っ…。」
初めてやることだし、上手くいってよかったけど。
これまた地味にしんどいな。
「二階の奥の部屋の三人はおーちゃんよろしくー。」
「はあ!?」
「私は上の一人…いや一匹かな?そっち対応するねー。」
轟々と燃え続ける建物に向かって歩き出した私の手を握ったままのおーちゃんが引く。
「俺一人でいい。お嬢もここにおり。」
「え、でも別に…って、おーちゃん…!?」
別に熱くないようにしたから大丈夫だよって言い終える前に、先におーちゃんが行ってしまった。
…私はここにいた方がいいのか?
「オウスケさんが来てくれたぞ!」
「炎の中に入って行っちまったけど大丈夫か!?」
「中の人間はもう手遅れかもしれねえのに…!」
心配する街の皆さんとただ火事を眺めつつ。
私は炎の調整に奮闘する。おーちゃんも熱を持たない炎だと気付いただろう。
「…ん?消火は?」

