「あ。」
しまった。
ワカさんが用意したのはノースリーブの服。残暑もあるので涼しげでいいんだけど。
一応私は身体の傷を今も長めの袖で隠していた。
「言うの忘れてた。」
仕方ないか。
別に私は気にしないんだけど、見る人が嫌な気分になるからなー。
「ワカさーん!」
「リンちゃん着替えたー!?」
「着替えたんですけど羽織くださーい!」
「…とりあえず降りて来てー!」
上の階から階段に向かって言ってみたけど、私の意図は伝わらない。
どうしようもないので降ります。
「「っ!!!」」
カイとおーちゃんが私の変身した姿に目を見開いて。
ワカさんがドヤ顔を決めている。
だけどやはり、腕から垣間見える傷にどうしても目が行ってしまう。
「…リンちゃん…その傷…。」
「なので何か羽織りたいんですー。」
矢傷に刀傷。例の左腕は刺し傷に熱傷。
お見苦しくてすみません。
「…すぐ持って来るわね。」
「ゆっくりで大丈夫ですよー。」
ワカさんがまた上の階へ上がって。
私はもう下でこのまま待つことにしました。
そんな私を見てさっきまで物珍しげに見ていたカイも、固まっていたおーちゃんも。
傷を見ては痛々しそうに暗い顔をする。
「…見過ぎじゃない?」
「…堪忍な。可愛いって褒める準備しとったのにいざ見ると声も出んかったわ。」
「私は仕事の度にこんなに支度するの?」
「あー、ワカが気合い入っとるしおる時は付き合ったって。」
マジか。
ワカさんいる時は毎回こんだけ仕立て上げられるのか。
「…お前マジでどないなってんねん。」
「おーちゃん?」
「…傷だらけやし軽すぎるし。」
「軽い?」

