(二)この世界ごと愛したい




私から離れて、今度はマジマジと私の姿を見つめるワカさんと呼ばれた女性。



「綺麗な金髪、緋色の瞳、整った顔、スタイルも完璧。」


「え…っと。」


「ちょっとオウスケには勿体ないかも?」



そんな結論に至ったワカさん。


年齢で言うとカイと同じくらいか。女性だし綺麗な人だからもう少し若いかもしれない。




「…しかも育ちも良さそう。良い家のお嬢さんね。」


「あ、え…。」



姫やってました…何て言えず。


私はカイにどうすればいいのと目で訴える。




「お嬢は困った顔も可愛えな。ワカもここの従業員みたいなもんやから。」


「それにしても本当に可愛い!色々着せたい!早速良い!?」


「…ほなお嬢、早速今日仕事どや?」



何か色々気になることはある。


なのにこの現状で、もう仕事…始まるの?




「や、やりたいっ!!!」



私は実は、お仕事楽しみなんです。


何せ初体験なもので。




「お嬢はええ子やな。」


「でも、私…何するの?」


「昨日とおんなじ。」


「…昨日?」


「またおらんやろ、ミケ。」




…ああっ!!!


そう言えばお姿がありませんね!!!




そんな感じで、昨日のことを踏まえると初めてかは怪しいけど。


私の初仕事は猫探しに決定。




「じゃあ早速お着替えしましょ。…あ、名前なんて言うの?」


「リンです。」


「リンちゃんね!上行きましょう!」



ワカさんが私の腕を引っ張り、また上の階へ戻ることになった私。


猫探すのに何故着替える必要があるんだろう。