私から離れて、今度はマジマジと私の姿を見つめるワカさんと呼ばれた女性。
「綺麗な金髪、緋色の瞳、整った顔、スタイルも完璧。」
「え…っと。」
「ちょっとオウスケには勿体ないかも?」
そんな結論に至ったワカさん。
年齢で言うとカイと同じくらいか。女性だし綺麗な人だからもう少し若いかもしれない。
「…しかも育ちも良さそう。良い家のお嬢さんね。」
「あ、え…。」
姫やってました…何て言えず。
私はカイにどうすればいいのと目で訴える。
「お嬢は困った顔も可愛えな。ワカもここの従業員みたいなもんやから。」
「それにしても本当に可愛い!色々着せたい!早速良い!?」
「…ほなお嬢、早速今日仕事どや?」
何か色々気になることはある。
なのにこの現状で、もう仕事…始まるの?
「や、やりたいっ!!!」
私は実は、お仕事楽しみなんです。
何せ初体験なもので。
「お嬢はええ子やな。」
「でも、私…何するの?」
「昨日とおんなじ。」
「…昨日?」
「またおらんやろ、ミケ。」
…ああっ!!!
そう言えばお姿がありませんね!!!
そんな感じで、昨日のことを踏まえると初めてかは怪しいけど。
私の初仕事は猫探しに決定。
「じゃあ早速お着替えしましょ。…あ、名前なんて言うの?」
「リンです。」
「リンちゃんね!上行きましょう!」
ワカさんが私の腕を引っ張り、また上の階へ戻ることになった私。
猫探すのに何故着替える必要があるんだろう。

