何か気を遣わせて申し訳ない。
別に会ってもいいんだけどさ。シオンって何せ鬼畜なんだよね。どうせチクチク文句言われるのが目に見えるし。
それに、自分で言いたくないけど…。
「私が絡むと手当たり次第何でも斬りそうで…。それも怖いんだよね。」
「白狼ベタ惚れやん。」
「いや、そう言うわけじゃ…ないことを今は願ってるんだけど。」
「無理やろ。」
…無理、なんですかね。
「っ〜…。」
「待って待って、お嬢その顔はあかん。可愛すぎて流石の俺でも堪えるわ。」
カイがわざとらしく頭を抱えてみたり。
しれっとおーちゃんは全力で顔を背けていたり。
「と…とりあえず、アキト軍とディオン戦がもう言ってる間に始まるから私ちゃちゃっと行って戻ってくるね。」
「いつ行くん?」
「んー…何せ相手がトキだから読みにくいけど。この一週間はトキも動かない。あとは空気読みながらかな。ざっくりでごめんね。」
私も警戒しておこう。
ここに誰かが近付いて来たらすぐ気付けるように。
…ん?早速、誰か来る?
「オウスケの彼女って誰っ!?!?」
私が声を掛けるより先に、酒場のドアを勢い良く開けて。
猪突猛進の如くやって来た女性。
「…へ?」
「お、オウスケの…彼女。」
私を見て目を大きく見開いて。
「かっわい〜!!!」
「うぶっ…!」
すぐに私をムギュッと抱き締めた女性。
勘違いが凄いし、この人は一体どなたですか。
「か、彼女ちゃうわ!」
「こんな可愛い彼女だなんて!オウスケやるじゃない!!!」
おーちゃんが頑張って弁解するが、この女性の耳には届かない。
「ワカ離したれ。お前の乳でお嬢窒息すんで。」
「あら、ごめんなさい?」
豊満なその胸に押し潰されて、本当に窒息するかと思いました。
それにしてもカイってお下品。

