「従者…。」
「うっ…。」
「何やっ!?」
テーブルに突然突っ伏した私に驚くおーちゃん。
「実感まだ沸かないっ…!」
「は?」
「何でもない!とにかくごめん!!」
謝ることしか出来ないので。
反省を示すべく謝り倒す。
「お嬢出来たでー。」
「…うわ、嬉しい。カイありがとー。」
出来上がった朝食とコーヒー。
特にコーヒーが嬉しい私は謝罪を一旦やめて、すぐにカップに手を付ける。
…落ち着きます。
「得意先の話しときたいねんけど。」
「得意先?」
「仕事のな。お嬢の知り合いもおるし、今後どうしよかって話。」
つまり、これから私の情報を売り捌くために。
私の知り合いであるお客さんをどう扱うかと言うことなんだろう…けど。
「…知り合いってシオン?」
「それと弟の天帝んとこの軍師な。後はアレンデールで言うと前王の側近。」
「…うーん。」
「知り合いにだけは既成事実だけ伝えんことも出来るけど、お嬢はどうしたい?」
カイは本当に私を丁寧に扱ってくれる。
本当ならいちいち確認なんか取らずに好きにすればいいものを。
「…内容にもよる…から、もう私については何も話さないって言うのが助かるんだけど。それじゃあカイの儲け話に穴が開くよね。」
「律儀やなー。他から浴びるほど頂戴するし、その三人くらい構わへんよ。」
「あ、浴びるほど!?」
「お嬢の情報は少しの目撃情報だけで大金になるし、それを今後自在に位置を操作できるなら…金はどっからでも湧いてくる。」
不敵に笑うカイ。
すんごい悪役感満載のその笑顔に、私は思わず背筋が伸びます。
「…個人的にシオンには今まで通りにして欲しいんだけど。」
「そうなると弟軍師もセットやで。あの二人いつも一緒に来るし。」
「めちゃくちゃ仲良し兄弟…。」
「ほんまに。たまに各々別で来ることもあるけど、その時は弟軍師は天帝と来るし。白狼は一人やな。」
アキトもここに来ることあるんだ。
「パルテノンの王都には行っちゃダメだってシオンに言われてたのに、本意じゃないにしても来ちゃったし。バレると面倒なんだよねー。」
「…ほな、白狼来る日はお嬢は上の階に隠れとき。それか別の仕事振るようにするわ。」

