翌朝。
仲良く二人で出勤してきたカイとおーちゃんは、酒場に入る前に目を疑う。
「……オウスケ。」
「し、知らん。俺は知らん。俺軍の奴等ちゃんと帰した後帰ったし。」
「何で中まで見届けへんねん。」
「お嬢が訳の分からんことばっかり言うから俺もしんどかってんて!」
野原に転がって一人で寝ている私を、信じられないと目を疑う二人。
「この子、姫やんな?」
「元から姫なんて柄やないやろ。」
「…俺が教えるんは仕事でええんかな。まずはちゃんと生活出来るように教えるべきやろか。」
「ほっとけ。」
とりあえずこの状況をどうしようかと考えるカイ。
もう捨て置けと呆れるおーちゃん。
「オウスケ、とりあえず部屋まで運んだり。」
「やから何で俺やねん!?」
「お嬢に格好良い言われて好きなったって今朝から喧しかったやん。」
「はっ!?すっすす…好きとは言うてへんやろっ!?」
格好良いと言われたことは話したらしいおーちゃん。
「…お前は乙女か。」
「誰が乙女やねん!!!」
真っ赤な顔で照れまくるおーちゃんを揶揄うカイ。
でもそんな姿を微笑ましく見るカイは、ここまで来ればおーちゃんの保護者も同然だろう。
「でも分かるで、オウスケ。お嬢にカッコええ言われたら惚れてまうわな。」
「俺は惚れてへんけどな!?」
「やから運んであげ。このまま置いとかれへんし。」
「っ〜!!!」

