おーちゃんは一先ずこの場を解散させるために、軍人さん達に声を掛けて城に帰す。
その際にもペコリと頭を下げて行く、そんな良く出来た軍人さん達。
「おーちゃんも帰れば?」
「言われんでも帰るわ。さっきも言うたけど、ここに来たのは別にお嬢のためとちゃうからな。」
「うん、おやすみ。」
「……。」
手を振っておやすみと伝えると睨まれる。
可愛い顔で睨まれる。
「え、睨まれるポイントが全然わかんない。」
「…お前、俺が来んかったらどうなってたか分かるか?」
「んー?とりあえず朝まで鬼ごっこ?」
「アイツ等悪い奴とちゃうけど、陛下のためなら喜んで何でもする奴等やで。」
だろうね。
わざわざ嘘ついてまで、私の力量も多少分かった上で、ここまで武器を持って来てしまう。立ち向かおうとしてまう。
「…おーちゃんは何が言いたいの?」
「…別に。」
「私が剣を抜かなかったのがそんなに変?ダメだった?」
「だってお前は戦神やろ。」
うーん。
そんな一昔前の異名を持ち出されても。
「つまり、おーちゃんの中の私は戦大好き人間ってことかなー?」
「じゃあ今までに何人殺したん?」
「……数えたことないよ。」
「やから嫌いやねん。」
そう言われると、これ以上話せることはなくなってしまう。
「そんな俺が将軍やんなって思うやろ。」
「特に何とも?」
「…俺は人が人を殺さんで済むように、将軍になった。」
「ふーん。」

