「「思いませんっ!」」
満場一致の思いませんいたただきました。
もうここの王様どんな人なの。怖いんですけど。
「ほんで、お嬢は何してんねん。」
「…へ?」
「こんだけ囲まれて剣も抜かんとアホなん?」
「……。」
呆れたようにそんなことを言われる。
でも、抜けばよかったなんて…そんなことも思えないから。
私はただ押し黙る。
「ほんま…アホか。」
「…だね。」
アホアホ言われてるけども。
それでも私は間違ってるとは思わない。
「おーちゃんは何でここに来たの?」
「…陛下に頼まれて?」
「うん?」
「馬鹿共がここに向かっとるから城に連れ戻せって言われただけや。」
ギクリと肩を揺らす軍人さん。
「え、陛下の命って嘘だったの?」
「……。」
「じゃあ誰に頼まれて私を捕まえに来たの?」
「…た、頼まれてない。」
はい?
頼まれてもないのに何しに来たの?
「…オウスケさんにも匹敵する力が…この国の物になれば、陛下がお喜びになるかと…。」
「喜んでへんから忙しい俺がわざわざ使われたんやけど。」
「「オウスケさんすみません!」」
みんなで仲良くおーちゃんに謝罪。
どうやら一件落着のようです。王様、私もとんでもない人間だと疑ってしまったよ。ごめんね。
「…謝る相手は他にもおるやろ。」
「「お嬢様すみませんでした!!」」
…お嬢様は止めてほしい。
「あ、うん。こちらこそ…ごめん?」
「何でお嬢が謝ってんねん。」
「そもそも私がいなかったらこんなことにはなってなかったかなーって。」
「…アホなだけじゃなくて馬鹿なんか?」
もうそろそろ怒っていいのかな?
人のこと好き勝手言い過ぎじゃないかな!?

