「では、このまま連れて行く。」
「でもそれも嫌なの。どうしたらいいのかなー。」
「お前の事情など知らん。攻撃の意思が本当にないのか信用出来んが、とにかく手足を縛れ!急いで城の牢へ入れるんだ!」
えー、しかも牢屋か。
「…剣は抜かないけど逃げるのはいいよね?」
「弓兵構え!!!」
黙って逃げればよかった!!!
私へ向く数々の弓矢。
剣なしで避けるか、最速で走って狙いを狂わせるか。
炎を使えば簡単だけども今は夜。悪目立ちするとソルの追手が外から入らんとも限らない。
「王様だけじゃなくてさ、もう少し第一将の気持ち汲んであげなよ。あの人たぶん悲しむよ?」
「お前にオウスケさんの何が分かる!?」
「馬鹿みたいに平和主義者だってことかな?」
「オウスケさんを馬鹿にするな!?」
どうやら怒らせてしまったようなので。
とりあえず、頑張って逃げて避けて躱そう。
「…お前ら何してんねん。」
ご定番。
ここへ皆さんの大好きなオウスケさんがやって来ました。
私は剣抜いてないからね。大丈夫だ。私は怒られない。平和に努めた。
「お、オウスケさん…!?」
「一人の女に寄って集って恥ずかしないん?」
「何故…ここに…。」
「それはこっちの台詞やな。」
おーちゃんが軍人さん達を睨む。
「わ、我々は陛下の命で…。」
「へー。何でその命が俺やなくてお前等に行くん?」
「お忙しいオウスケさんを…気遣ってのことかと。」
「あの陛下が?俺が忙しいから気遣う?ほんまにそんなことあると思うん?」
あれ?王様良い人って言ってたよね?
そんな血も涙もない人なの?話違わない?

