おーちゃんはしっかり見張っていた。


とは言っても私は寝てるだけ。



なのでディオンの使者が帰ったのを感じ取ってすぐにおーちゃんも下に降りる。




「カイ?大丈夫やった?」


「当たり前やろ。お嬢はやけに大人しくしとるな。」


「寝てんねん。」


「…あんな可愛い子が同じ部屋で寝とって、お前よくそんな平然としてられるな。」



そんなことを言われたおーちゃんは、またボワっと顔の熱を上げる。




「やから俺はあんな女タイプとちゃうねん!!!」


「あれはタイプじゃなくても関係ないやろ。お前男として大丈夫か?」


「…俺にはヒマリがおるし。」


「…お前も未練がましい男やな。」



おーちゃんの想い人。


恋愛経験があると言っていたのは見栄ではなかったらしく、ヒマリと呼ばれる子を想っているらしい。




「と、とにかく!カイは仕事終わったならもう行くで!お嬢もう寝とるしほっといてええやろ!」


「けど晩ご飯準備したらな。」


「おかんか!あれでも女なんやし大丈夫やろ!」


「…せやろか。」



おーちゃんがあまりに煩いので、カイは大人しくおーちゃんに従う。


別にも泊まる宛があるカイをその場所に送り届けて、おーちゃんもその場所に居座る。




…よって。



眠りを妨げられることもない私は、それはそれはこのまま眠り続けます。