下の階にディオンの使者が到着。
おーちゃんもそれを感じ取り、より一層警戒を強める。
カイがお客さんの対応をするが、おーちゃん的にはそちらの様子も気になるところ。
「頼まれとった情報はこれくらいやな。」
「…分かった。アレンデールの魔女について何か知らないか。」
「あー世界が注目しとる魔女さんな。最近ほんまに魔女さんの情報欲しがる人多いし、俺も本腰入れて情報集めるわ。次までには仕入れとく。」
「よろしく頼む。」
カウンターに重たい袋を置いたディオンの使者。
中身は勿論お金。
「おおきに。」
「ではまた三ヶ月後に。」
「…あ、最新情報があったん忘れとった。」
「何だ?」
カイのお仕事。
それは情報を売る仕事。
その売った情報で国を動かすことが出来る。さらに、時にはその情報を操作することで意図的に国を操ることも出来る。
「…次の戦、天帝が動くで。」
「っ!」
「気い付けや。」
「御伽話の女に現を抜かす男など恐るるに足りん。返り討ちにするまでだ。」
御伽話のかぐや姫とアレンデールの魔女が同一人物だと、世間では認識されていない。
カイは瞬時にそれを理解し、微笑む。
「ほな、戦で大変やろうけど頑張ってな。」
「無論だ。」
ディオンの使者は追加でお金入りの袋をまた置いて、酒場を出る。
「まいどー。」
カイは笑顔で見送った後、出した飲み物の片付けを済ませて一息。
私が部屋から出なかったことに安心する。

