私とカイの会話に、一人着いて来れないおーちゃんが拗ねてしまって。


不貞腐れ始めたので私は一旦楽しい思考を止める。




「ミケさんお風呂入ろっ!」


「ふっ、風呂っ!?」


「おーちゃん邪?誰もおーちゃんとは入らないよ?」


「ちっ、違うわ!お前みたいなちんちくりんに誰が邪抱くねん!!!」



アキトの城行ってみろ。


こんなちんちくりん相手に邪溢れ返してたぞ。




「じゃあカイまた明日ね。遠慮なくお邪魔しまーす。」


「お、おう。ゆっくりしーや…。」



タコのように真っ赤なおーちゃんと。


未来を案じて怯えるカイを下に残して、私はミケさんを抱えて上の階に移動する。


突き当たりの部屋をそのまま借りることにして。


さらに備え付けられている浴室もお借りして。


ミケさんと一緒にシャワーを浴びてみたけど、ミケさん猫ですがとても綺麗好きのようで。嫌がることなく気持ちよさそうにお湯を浴びていた。


さらにさらに、お風呂上がりのお洋服も勝手にクローゼットを漁り拝借。




「…これ本当に仕事で使うのかな?」



と疑問になるほど多岐に渡る服が揃っていた。


その中から、私は適当にシンプルなワンピースを選んでガバッと頭から被ってベッドにダイブ。



怯えていたカイとは反対に、私はやっぱり楽しみで仕方がない。


情報という新たな武器を手に入れられる。




「ミケさん本当にありがと。」


「ニャー。」



ベッドの上で溢れる感情をぶつけるようにミケさんを抱きしめた。


鬱陶しそうにされたけどミケさんは優しいので、そのまま私の腕の中にいてくれる。



私はそんなミケさんに再度ありがとうを伝えて。


これからのことを考えたかったのに、気が付けば考える間もなく眠ってしまう。