「おーちゃん、この国の王様ってどんな人?」
「…何やねん急に。」
「私の婚儀には来てなかったし良く知らないんだよね。」
パルテノン王。
面倒な人なら王都に住むのはやっぱり遠慮したいから、どんな人なのか少し知りたい。
「王様なー。」
「ざっくりで大丈夫。めんどくさいかそうじゃないかだけでいい。」
「…めんど…くない。」
「良い王様なんだねー。」
面倒じゃない人なら少しくらい良いかな。
これから宿探して寝泊まりするとお小遣いすぐなくなってしまいそうだし。るうに追加もらってもいいんだけども。
「ん?婚儀ってお前既婚者か!?」
「うん?」
「…ありえへん。こんなんと結婚する男の顔が見たいわ。」
それはそれは綺麗なお顔ですよ。
正真正銘の王子様みたいな…いや、王子なんだけれども。
「セザールの第三王子やろ。オウスケ、この話有名やで。知らんのお前だけや。」
「王族同士の結婚事情なんか興味ないわ。」
「アホ、政略結婚に決まっとるやろ。」
「政略結婚っ!?」
おーちゃんは忙しい人だ。
コロコロと変わるその表情もまた可愛い。
「お嬢の親父さんのアレンデール王討たれて戦利品としてセザールへ戦神を献上って、一大ニュースやったやん。」
「か、可哀想っ!」
「このアホそんなんも知らんかったんか。」
な、なんか人の身の内話を勝手に…。
しかも可哀想って同情までされてしまっている。

