おーちゃんうるさすぎ。
私は少し怒りが芽生え更に攻撃する手が進むが、騒ぎながらもおーちゃんはやっぱり対応出来る。
しかし私も、経験浅いなりにソル戦で練習してアキト軍を稽古して過ごしていたので。簡単には負けないです。
「お前経験浅いって何年目や。」
「だから黙っててくれないかな!?」
「可愛くない女!!!」
「ほんっとうるさい!!!」
カイが遠くで苦笑いしてる。
でもまだ私はおーちゃんの剣技を見たい。見たいから手は止めないし攻撃も繰り出し続ける。
かなりの手数打ってるけど未だ一太刀も入らない。
もちろんおーちゃんからの攻撃もあるけど、私とて易々と抜かれはしない。躱すか受かるか…より効率的な方を取りつつ打ち合う。
「お前マジで女か!?」
「…おーちゃん次隙あったら斬っていい?」
「はあ!?」
型は何となく掴めてきた。
次の動きを、その次の太刀筋を…後は思考で読み取るだけ。
「…ここかな。」
「っ!?」
それはほんの一瞬の隙。
おーちゃんが私の剣を受けて次の攻撃を繰り出す前の、ほんの僅かな隙。
そこを突いて私の一番のスピードで斬る。
「お嬢ストップ!」
「っ!」
もちろん急所は避けるつもりだった。
おーちゃんの身体ギリギリで発せられたカイの声に、私は咄嗟に剣を止める。
「…カイは心配性だね。」
「お嬢はやり過ぎ。」
これでやり過ぎなのか。まだ斬ってもないのにか。
パルテノンは軍事国家ではない。だから軍事に力を注いでないことは知っている。
…それを体現しているのがおーちゃん。
「おーちゃんごめん、大丈夫?」
「……。」
「おーちゃん?」
「…これが戦神か。」
ぽつりと。
おーちゃんから溢れた言葉。
「…本気やなかったやろ。」
「お互い様じゃん?」
「まっじで可愛くない女。俺はやっぱもっと可愛げある子がタイプやわ。」
「うん、興味ない。」
おーちゃんの好きな子のタイプは知らん。

