翌朝。
今日はパルテノンをぶらり旅して、本格的に仕事を探そうって意気込む。そんな日。
あまりにもたくさん寝たので、割とスッキリした朝を迎え珍しくちゃんと起きられた私。
「やれば出来るじゃん、私。」
なんて自画自賛。
猫さんはマイペースにまだゴロゴロしているが。私はそろそろこの猫さんをどうするか決めねばならない。
「…猫さん、この街に残る?」
「……。」
む、無視…。
今まで何かしら反応してくれていたのに、この質問に関しては完全無視。
とりあえず宿から出ようと決めた私は、宿主さんにお支払いを済ませてから猫さんと外に出ました。
「…さて。」
どうしようかなー。
猫さんの飼い主を見つけてから出発するか?飼い主ってすぐ見つかるのか?どうやって見つけるんだ?そもそもいなかったらどうする?
「ニャー。」
「…お腹空いたの?」
「ニャ!」
肯定らしいので。
私は寝起きで食べる気にならないが、とりあえず猫さんの分だけでもご飯を探そう。
こうしてまずは猫の食事を求めて、街を散策。
良い意味で。
平凡で和やかな雰囲気の街。平和って感じの落ち着く街だけど。商店はそんなになく人口もそんなに多くはない様子。
なので、異様な感じがする人は目立つ。
「おいっ!!!」
そう荒れた声に引き止められた。
「…はい?」
「お前この辺の人間じゃないな!?」
「ええ、まあ。」
「何者だ!?」
何者と聞かれても?
なんて答えるのが正解なのか分からない。
…ってか、寧ろそっちも誰だよ!?
「あなたは軍人さんですか?」
「…双剣の女剣士?まさかオウスケさんの弟子か?」
「あの?軍人さんですか?」
「…オウスケさんいつの間にこんな美少女の弟子を?」
おーい。
私の質問は無視ですかー?
双剣を帯剣する私を見て勝手にオウスケさんの弟子と認定してしまっているようですが、私オウスケさん知りません。

