どこまでも。


嫌になる程、私の正義は独りよがりだ。





「…ごめんね。」


「うっ…。貴様の…せいで……マサムネ様はっ…!!!」




この人たちはマサの知り合いか。


下手なこと言わなくて正解だったな。




「…みんな致命傷は避けたはずだけど、ちゃんと傷口押さえながら帰るんだよ?」




とりあえずボロが出る前にこの場を急いで離れることにした私。



こんな夜に移動することになるなら、せめてもう一泊アキトの城に泊めてもらえば…と過ったが。


こうして隠密さんたちがここまで迫っていたことに薄々気付いたから出発を急いだんだったと思い出したので。大人しく夜の暗闇を徒歩で移動する。




…パルテノンに向けて。



もちろん歩いて到達出来るほど近くはないので。休めそうな場所で適当に休んで、日が昇れば飛んでいきます。





「…ねむ。」




遊び疲れて既に眠いです。


アキトの部屋のふかふかのお布団が恋しいです。




でもでも、ここで足を止めるとまた変な追手が来るかもしれないので。





「頑張るっ…!」




こうして本格的に、旅っぽい旅がようやく始まりました。



箱入りの私のこの旅は、想像を絶するほど大変で辛くて眠たくて。一晩がとても長く感じた。





「外の世界は甘くないなー。」




日々勉強。日々学習。


こうして私は少しずつ成長するんです。