トキが弓を構える姿。
それがなんか意味分からんくらい様になってる。姿勢が綺麗すぎる。
「もしかして経験者?」
「普段あんまり見せねえからなあ。それもこんな街中でなんてありえねえことだ。」
トキがそのまま的に目掛けて、なんと二矢一斉射撃。
「「「キャー!!!」」」
分かる。
そう叫びたい気持ちが今は分かる。
的のど真ん中に刺さった二本の矢。そしてこちらに満面の笑みを向けるトキ。
いつも可愛いそんなトキが。
…今は格好良すぎる。
「リンー、金一封取ったよ。」
「す、すごいトキ!達人じゃん!!!」
金一封を受け取ったトキが、こちらに戻る前にアグレッシブな女性たちがトキを取り囲んだ。
しまったー!!!
「トキさーん、素敵ですー!」
「これからお暇ですか?」
「一緒にお祭り回ってくださーい!」
不安か、恐怖か、不快感か。
トキの表情がどんどん曇っていく。
そして一人の女性がトキに手を伸ばすのに気付いた。たぶんトキも気付いてた。
だけどトキが固まっている。
「だめっ!!!」
咄嗟にそんな輪の中に割って入り、トキに飛び込んだ私。
「ちょ、ちょっとあんた何よ!」
「トキさんはあんたのじゃないわよ!」
「アキトさんだけじゃなくてトキさんまで横取りする気!?」
アキトのことだって取ってませんが!!!
言いたいことは山程ありますが!!!
「…トキに触らないで。」
「はあ!?なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!?」
「ダメったらダメ。」
「思い上がるのもいい加減にしなさいよっ!!」
一人の女の子が私に手を振り上げたのを、私は逆に掴む。
…ここは負けてなんてあげられない。

