「…ねえ、なんか人多くない?」
「リンがすごい注目されてるね。これはアキトが何かやらかした感じだ。」
「え!?何したの!?」
水面でパシャパシャと和む私とトキ。
残暑が残る今の季節、水中は本当に気持ちが良いです。
それなのに。
アキトが何かやらかしたせいで変に注目を集めてしまっていて、ちょっと不快です。
「…将印、リンに渡したのがバレてるだけ。」
「それにしては流言回るの早すぎるよね?アキトまさか誰かに話してた?」
「…レンの城で…ちょっと。」
「ここから近いもんね。そりゃ騒ぎにもなるよね。それでどう収拾するの。あれだけ待ち構えられてるとこに上がらなきゃいけないの。」
トキがアキトを責め立てて。
海から海岸へ上がりたくないとトキが嘆く。
「もう!トキは楽しいことだけ考えてればいいんだってば!」
「もう楽しんだ。楽しんだからこの後どうしようって話だよ。」
「足りません!トキの楽しみはまだまだこれからです!私に任せてっ!」
私は水中にある指先に集中する。
不燃の炎を纏わせた魚雷の如き炎をそのまま水中を移動させて、私たちから少し離れた場所で爆発させる。
すると素直なギャラリーたちは何事だと、そっちに気が逸れて海岸が空く。
「今のうちに行こ!」
「…リンは奇想天外すぎる。」
「アキトも早く行くよ!」
私はアキトとトキの手を引っ張り、海岸へ上がり人気のない路地裏へそのまま引き込む。
「…よし。」
その場で再び炎を放出する。
シオンに見せてもらった化学の本。物理学の章は大変参考になりましたので、その成果を披露します。
気流を僅かに発生させて、さらに熱の力を利用して風を回す。抵抗加熱と呼ばれる作用で温風が発生する。
「その辺に座っててー。すぐ乾かすね。」
「お前は便利だなあ。」
「人を便利グッズみたいに言わないで。とりあえず時間勿体ないから出力上げて高速でやろ。暑いけど我慢してー。」
天然の乾燥機にて服を乾かして、三人で路地裏から出ます。
お祭りはここからです!!!

