トキはすぐにこの場の指揮に取り掛かる。
私も上から見てきた感じ、丁度良さそうな囲地を発見していたので移動を開始する。
「リン、本当に大丈夫?」
「今日はまだピンピンしてるよー。遠慮なく流し込んで来ていいからね。」
トキに心配されながらも。
私は目的地である囲地で待つ。
あとは、トキがここに敵を連れてきてくれる。
「ハル、るう。」
私は二本の剣を抜く。
「存分に大暴れしよう。」
喧騒が近付く。
トキの采配は本当に的確だ。
その統率力と状況を読む考察力、判断力はあのシオン将軍にも引けを取らないだろうな。
目の前にいる私を見て。
ソルの兵達が誰だと不思議そうにしている。
みんな私を火龍の炎で認識しているんだろうから、炎を収めている私を見ても誰だか分からないんだろう。
…今は一体なんだと思われてるんだろうか。
「な、何者だ!!!」
「セザールの新手か!?」
「女が何故戦場にいる!!!」
そんなに気になるもんかなー。
私が何者かなんて、そんなことよりもまずはこの状況が君達にとって非常事態だということに気付くべきだと思うんだけど。
「これで全部だよー。」
「あ、トキありがとうー。」
続々と囲地に集結させ、ソル軍を閉じ込めた。
前には私。後ろのか細い道にはアキト軍が蓋をしてくれている。
…さて、敵将はどなたかな。
「囲地に誘い込まれた!後ろの脱出は難しい!前の崖を登って回避するぞ!!!」

