「ハルの戦、観に行くなら気を付けてね。」
「え?」
「ある種、ハルは私より人を魅了しちゃうんだから。ハルは馬鹿だから気付かないけど。」
ハルの戦場で戦う姿なんて。
もう格好良くて格好良くて見惚れずにはいられない。想像しただけで私は心が高鳴る。
「…だから、あんまり心惹かれないように気を付けてねって話。アキトは手遅れっぽいけど。」
「俺は大丈夫だよ。」
そんな身も蓋もない話をしていたら、祭囃子の音が聞こえてきた。
途端、私の目は輝く。
「…お祭り。」
「初めてじゃないでしょ。祭りも海も。」
「…私が知ってるお祭りは生誕祭だけ。海もアキトと来た時の一回だけ。」
だから嬉しいし楽しみだと私が笑うと、トキは若干嫌そうなものの笑い返してくれる。
「リンのためだからね。俺本来こんなとこ来ないからね。」
「うん!みんなでいっぱい遊ぼう!」
「はいはい。じゃあそろそろアキト起きて。」
アキト寝てたんかい。
やけに俯いて大人しいと思ったよ。
まだ明るいけど既に祭囃子と人が賑わう街の入り口で馬車が止まる。
いち早く馬車から飛び出した私は、その雰囲気にこれでもかってくらい胸が高鳴る。
「リンちゃーん!」
「ハナちゃんとサク、移動お疲れ様!私だけ馬車乗せてもらってごめんね!」
馬に仲良く相乗りしている二人に私は謝ってみるけど、二人は全然気にしていないようで。
寧ろ仲良し幸せオーラを放っている。
「サクくんとデート久々だから私も嬉しくって!リンちゃんのお陰だよー!」
「ハナちゃん降りよっか。」
私同様、楽しみに目を輝かせるハナちゃんをサクが抱き上げて馬から降ろしてあげて。
私まですごく幸せな気持ちを分けてもらっている気分。
「せっかくのデートだから、ハナちゃん楽しんで来てね!残りのメンバーは私に任せて!」
ドーンと自信満々に言う私の頭を、背後からアキトが鷲掴む。
「誰がお前に任せるか。」
「…大丈夫。ここは元将軍の私に任せて。精一杯取り仕切って目一杯楽しませるから。」
「現役将軍の俺がいるだろ。それに楽しませなくてもコイツ等は勝手に楽しむから問題ねえ。」
「えー!私の出る幕なし!?」
色々考えてたのに…。
手始めに海に行って、それから出店全部網羅して。さらにもう一周してみたりとか。
「お前は自分が楽しむことだけ考えてろ。」
「私はもう既に楽しいです!」
「…それが何よりだ。じゃあサクとハナは勝手に仲良しこよし行ってこい。」
そこからアキトは隊士たちにも声を掛けて、街のご迷惑にならないよう各々注意してこの場を一旦解散させた。
流石、現役の将軍です。
アキト軍の皆さんが一歩街に入ると、さらに大賑わいになる街。
「「「キャー!!!」」」
「アキトさーん!!!」
「サクさーん!!!」
「え!?トキさんまでー!?!?」
もう女性大人気を誇る御三方。
他にも名の上がる隊士もいるけども、この三人の人気は凄いもので。
ひたすらキャーキャーと騒がれる。

