「…行くのは行くんだね。」
「いつかはね。」
雨が降らない土地なんて、私が興味を持たないわけがない。
それに、レンにも会わなきゃいけないから。声を掛ける口実にもなる。
…怒られるためだけに行くのは怖いから。
「そんな感じだから、アキトのご褒美は保留にしよっかー。考えといてね。」
「俺が決めていいのかあ?」
「あんまり邪だったら私は無視して帰る。」
「…学んで来たな、お前。」
この城で過ごしたお陰で、邪に対する学習能力が向上しました。
そんな話をしてる間も馬車の足は進む。
ウキウキな私と正反対に、トキの表情はどんどん険しくなる。
「もう着くかなー?」
「残念ながらぼちぼちだね。」
「トキとお出掛けするの初めてだから私はすっごく楽しみなんだけど…大丈夫?」
「…ここまで来たしね。」
トキは嫌そうにしつつ。
アキトはそんなトキを見て少し笑う。
「そんなに女の人苦手なのに、なんで私はトキに近付いてもいいの?」
「今更そんなこと聞くの?」
「こんなに嫌がってるとこ初めて見るもん。」
「…リンは俺の“おねえさん”になる可能性があるじゃない?」
あるじゃないって…。
「ないよっ!?」
「アキトと上手くいけばお姐さん。シオンもシオンだから、そうなったらお義姉さん。」
「…は?」
「けど俺から見たリンは、姉って言うより妹っぽいかな?」
…いや、まず根本から間違えてます。
その理論で行くと私はアキトかシオンとどうにかなるの前提じゃん。
「妹…か。」
「あれ?がっかりしてる?」
「してない!嬉しい!…でもハルを取られるのは嫌かもしれない。」
「…いらない…じゃなくて取らないよ。」
いらないって言った!?
ハルを!?

