(二)この世界ごと愛したい




お祭りということで、ハナちゃんが浴衣をと勧めてくれたのを珍しくやんわり断る私。


そんな私はここに来た時同様の服に袖を通し、髪を結い上げる。



自分の荷物を抱えて、勿論帯剣。




その姿で先にみんなが集まる朝餉の会場である広間に顔を出す。





「ちょっとリンちゃーん、祭りだからってそんな荷物抱えて行くのかー?」


「まるで帰って来ねえみたいじゃん!遊ぶの邪魔になるから置いてった方がいいって!」




隊士の皆さんが親切に忠告してくれる。





「約一ヶ月、お世話になりました。」



「「「…え?」」」




ぺこりと頭を下げた私を、不安気に見る隊士の皆さん。



アキトとトキには昨夜話しておいた。


お祭り会場の街から私はそのまま旅立つと。





「…この城は本当にアキトみたいで。毎日すっごく楽しかったよ。」



「リンちゃん嘘だろ!?」


「まだここに居りゃあいいじゃん!!」


「てかずっと居てくれよ!!!」




大の男たちが涙を流して寂しがっている。


ちょっと怖い光景だ。




「ずっとは居てあげられないけど、その内また来るね。」




肩を落とす素直な彼らを見ていると。


どうしてかほっとけない。ほっとけないせいで、私はここまで鍛え上げてしまった。





「…みんなでお祭り行く?」



「「「行くー!!!」」」




私の言葉に呼応し雄叫びを上げて、また素直に喜ぶ彼ら。


そんな様子を流石にトキとアキトが止める。




「城の警備は残して行くから全員は無理。」


「街の規模的にも邪魔にならねえ人数しか連れてかねえよ。」