お祭りということで、ハナちゃんが浴衣をと勧めてくれたのを珍しくやんわり断る私。
そんな私はここに来た時同様の服に袖を通し、髪を結い上げる。
自分の荷物を抱えて、勿論帯剣。
その姿で先にみんなが集まる朝餉の会場である広間に顔を出す。
「ちょっとリンちゃーん、祭りだからってそんな荷物抱えて行くのかー?」
「まるで帰って来ねえみたいじゃん!遊ぶの邪魔になるから置いてった方がいいって!」
隊士の皆さんが親切に忠告してくれる。
「約一ヶ月、お世話になりました。」
「「「…え?」」」
ぺこりと頭を下げた私を、不安気に見る隊士の皆さん。
アキトとトキには昨夜話しておいた。
お祭り会場の街から私はそのまま旅立つと。
「…この城は本当にアキトみたいで。毎日すっごく楽しかったよ。」
「リンちゃん嘘だろ!?」
「まだここに居りゃあいいじゃん!!」
「てかずっと居てくれよ!!!」
大の男たちが涙を流して寂しがっている。
ちょっと怖い光景だ。
「ずっとは居てあげられないけど、その内また来るね。」
肩を落とす素直な彼らを見ていると。
どうしてかほっとけない。ほっとけないせいで、私はここまで鍛え上げてしまった。
「…みんなでお祭り行く?」
「「「行くー!!!」」」
私の言葉に呼応し雄叫びを上げて、また素直に喜ぶ彼ら。
そんな様子を流石にトキとアキトが止める。
「城の警備は残して行くから全員は無理。」
「街の規模的にも邪魔にならねえ人数しか連れてかねえよ。」

