アキトから私を託されたトキは、起こさないようにそっと抱き上げて部屋に運ぶ。
ここは流石はトキさん。
邪念を抱くこともなくただただ私に安眠を与えて、したことと言えばさっきまで悔しくて泣いていた私を思い出して微笑ましいと笑って頭を撫でたくらい。
翌朝も優しく起こしてくれていつも通りの朝稽古。
それからも数日。
稽古しては飲んで、稽古しては飲んで。
そんな日々を繰り返したある日。
「ねえトキ、私やりすぎたかな。」
「もう遅いって。」
仕上がりつつある軍を見て、私はいよいよ焦る。
アレンデール軍事に関わる皆様。誠に申し訳ございません。
「…ハル、るう。ごめんよー。」
「本当に助かったよ。ありがとうリン。」
邪だけど元々素直で元気なアキト軍。
アキトの元、一致団結するその連携と来たらもう向かう所敵なしの強固な軍。
「これはもしかすると、もしかするよ?」
「高度な戦術も試してみたいし、敢えて力技で押せるだけ押してって単純な力試しもしてみたい。軍師としてはこんな美味しい状況ないよ。」
この強化された軍を指揮するトキ。
気持ちはどこに居てもアレンデールの人間である私が思わず肝が冷えるほど。
「…まさに至高の軍の域だね。」
私はもう稽古はしません。
これ以上教えることなんてないし。これ以上鍛えるわけにはいきません。
「俺もリンとの約束ちゃんと果たさなきゃなー。」
「海とお祭り楽しみだねっ!」
トキはあまり楽しそうではないけども。
こうして、来たる。
…魂祭の日。

