(二)この世界ごと愛したい





泣き止んで落ち着いたら、みんなが飲んで騒ぎまくっている広間に二人で向かって。


一緒に飲んで騒いで。


気付けば私はまた笑っている。



また自然と前へ前へと進んでいく。





「俺の褒美は決まったか!?」


「あー、まだ考えてなかったー。」




なんかやたらニヤニヤしてるアキトがウザい。


私こんなのに負けたのか。




「早く決めろ!」


「…私があげられるものでアキトが喜ぶもの。」




何だろうと考えてみるけど、こんなアキトなので大体邪なことしか浮かばない。


これは私の思考も邪に侵食されつつある。





「キスしてあげたら?」


「トキ、俺は餓鬼じゃねえんだよ。んなもんで今更喜べるわけねえだろ。」




トキの提案を、即座にアキトが却下。




私はそんなアキトの胸元を掴み、自分の方へ引き寄せる。


唇がギリギリ触れない位置で確かめてみた。





「おまっ…!?」


「…ふーん。確かに喜んではなさそう。」




私はそのままパッとアキトを離す。


目を見開いたまま異常な回数瞬きを繰り返すアキトを見て、私は少し笑ってしまう。




「…してほしかった?」


「はっ!?ばっ、馬鹿かお前!?!?」


「どっちかわかんないよー。」




真っ赤になったアキトを、私とトキが笑う。




「お前酔ってんだろ!?」


「そんなにー。」


「もう飲むな!?それ以上飲むな!?」


「えー、アキトうるさいー。」




宴のような賑やかな食事を楽しんで、お酒が入ったこともあり私は隣のトキにもたれかかって眠る。


私が眠った後もみんな楽しそうに飲み続けていたが、あまりに騒がしいので優しいトキが気を利かせる。





「アキト、今日は俺がリン預かるね。」


「何でだよ!?」


「さっきの今で、何もしない自信ある?」


「…ない!よろしく頼む!!!」