いつものように、その腕に私の頭を乗せて。
抱き締める腕はそのまま。
「…それが堪んねえんだよなあ。」
「…眠い。」
腕枕は私の眠気を上げるツール。
もう抗えない程に眠い。
「相手がお前なら、嫉妬すんのも馬鹿馬鹿しい話だよなあ。」
「んー。」
「実際こうして隣にいる俺が実は恨まれる対象か。」
「…んー。」
アキトがぶつぶつ言ってる間に、私はもう瞼を閉じる。
「…お前に焚き付けられるのは何度目か、もう分からねえなあ。」
アキトの回された腕に、力が籠る。
「お前から抱いてくれって言わせてやる。」
「…言わない、よ。」
「そんな男になるって話だ。」
「…そ、か。」
私はどこまでも邪なアキトを前に、スッと意識を手放した。
寝てる人間相手にアキトは何もしない。
睡眠は防御です。
「…いざんなこと言われたら俺はたぶん昇天するけどな。」
アキトはヘタレだと。
トキとサクが言うのはそのせい。
私はまた明日から稽古に明け暮れて、この城のみんなと共に過ごして。
時に揉めたり邪事件に巻き込まれたり。
みんなと一緒に己も鍛える。
ハルの戦のこと、トキの結婚のこと、ソルの隠密のこと、悩みも増えたけど。
それを吹き飛ばせるほど楽しく過ごせた。
楽しく過ごせたからこそ。
…別れとはいつも寂しく感じるもの。

