(二)この世界ごと愛したい





いつものように、その腕に私の頭を乗せて。


抱き締める腕はそのまま。





「…それが堪んねえんだよなあ。」


「…眠い。」




腕枕は私の眠気を上げるツール。


もう抗えない程に眠い。





「相手がお前なら、嫉妬すんのも馬鹿馬鹿しい話だよなあ。」


「んー。」


「実際こうして隣にいる俺が実は恨まれる対象か。」


「…んー。」




アキトがぶつぶつ言ってる間に、私はもう瞼を閉じる。





「…お前に焚き付けられるのは何度目か、もう分からねえなあ。」




アキトの回された腕に、力が籠る。





「お前から抱いてくれって言わせてやる。」


「…言わない、よ。」


「そんな男になるって話だ。」


「…そ、か。」




私はどこまでも邪なアキトを前に、スッと意識を手放した。


寝てる人間相手にアキトは何もしない。



睡眠は防御です。







「…いざんなこと言われたら俺はたぶん昇天するけどな。」




アキトはヘタレだと。


トキとサクが言うのはそのせい。




私はまた明日から稽古に明け暮れて、この城のみんなと共に過ごして。


時に揉めたり邪事件に巻き込まれたり。


みんなと一緒に己も鍛える。




ハルの戦のこと、トキの結婚のこと、ソルの隠密のこと、悩みも増えたけど。


それを吹き飛ばせるほど楽しく過ごせた。





楽しく過ごせたからこそ。



…別れとはいつも寂しく感じるもの。