(二)この世界ごと愛したい




どっちに転んでも良いことないので黙る。




「あんまりお前がルイに嬉しそうにするんで、大人気ねえことしたなあ。」


「……。」


「…気付けばルイが一番お前を自由にさせてやれてる。」


「…自由?」



るうが私を自由に…?


間違ってはないんだろうけど、何か違うような気もする。




「何があったか知らねえけど、大した覚悟だ。」





人の自由とは、誰かの不自由の上にある。


私が自由ならるうはきっと不自由な思いをしている。憤る思いを抱えてる。



だけど、そのまま突き進めと。



るうは背中を押してくれるから私は立ち止まらない。この道を進み続ける。




「どんな私でも信じてくれるるうを、私も信じるって決めたから。」


「…ルイの痛みからは目を逸らすのか?」


「目を逸らすんじゃなくて、ずっと一緒に背負って行くつもり。」


「…お前マジで恋愛する気ねえな。」




それは今に始まったことじゃない。




「恋愛真っ最中のアキトに言うことじゃないけど、私を好きになったところで正直良いことなんて何もないよ。」




そんな私だけど。


私もちゃんと、変わろうとは思ってる。



広大で美しい世界を見て。


これは私一人ではとても守りきれないことを、繋ぎ止めておけないことを。




…自分の無力を痛感してる。





「だから、アキトは私を越えて。」


「…越えた先で、どうせ俺はまたお前に堕ちる。」


「堕ちてもいいけど自分で這い上がってね。」


「…怖え女。」




一緒に堕ちてはあげられない。


この足を、止めるわけにはいかない。






「…私も、強くなりたい。」


「……。」


「もっと、ずっと…強くなりたい。」





だからアキト。



…私を越えて、信じさせて。