「そう言えば俺、ルイはリンの専属だと思ってた。姫なのに生まれて初めてって、そんなことあるの?」
「るうはハルの専属だったのを私が勝手に連れ回してただけだよ。小さい頃から憧れてたんだけど、私に専属の従者がいなかったのは…情報漏洩を恐れてじゃないかなー。」
「…だから泣くほど嬉しかったんだね。」
お恥ずかしいです。
でも本当に嬉しかったんです。
「専属の従者に別荘に。姫じゃなくなったら意外と色々欲しかった物が手に入るから不思議だなー。」
ひとつひとつ。
忘れずに私の願いを叶えんとする流れ星は、どんな時もどんな場所でも。
変わらず私を支え続けてくれる。
「…リンを想う人って、本当に度を越えて想いすぎて逆にリンが不自由になるって。変なことが起こってるよね。」
「気持ちは分からんでもねえから俺は何とも言えねえよ。」
「アキトがリンを不自由にしないように、俺がちゃんと止めてあげるね。」
「…頼んだぞ。俺は既に、どっかでこの城に閉じ込めておきてえと過ってる。」
「…知ってるよ。だから言ったんだし。」
この会話が聞こえてないかトキがチラッと私を見ると、うつらうつら。
かくんかくんと頭を揺らしながらも、食べ進めようと健気に頑張る私。
「…何これ可愛すぎない?」
「いや危なくねえか?膳に顔から突っ込むぞ?」
「だけど見た感じそんなに食べてないから、まだ食欲なかったのかもね。」
「…もう寝かす方がいいか。」
アキトが私の肩を叩く。
「んー。」
「リン寝るなら部屋で寝ろ。」
「…食べる。」
「さっきから食えてねえよ。」
「…大丈夫。」
「何が大丈夫でどこが大丈夫なのか教えてくれ。」
しっかり食べて体重を増やさねば。
るうにまたガミガミ言われるし、もう少し食べ進めたい気持ちだけは一丁前にある。

