今年は別に不戦期間はないかもしれないけど、ハルに限ってはたぶん避けるはず。
「…一定期間じゃなくて。どうしても戦出来ない一日のために、出来る限り戦を避けるんだよ。」
「アレンデール不戦期間の秘密、俺知って良い話?」
「もうほぼ意味ないからね。」
「え、知りたい知りたい。」
さっきるうが来てた時、若干話題になった話。
「私の誕生日、当日に祝えないのが辛いってパパとハルは絶対にその期間被る戦はしないの。」
「…は?」
「一回その期間に侵攻してきた国があったんだけど、パパとハルが光の速さで潰して帰ってきたし。自国の守備兵から援軍要請来たってその期間は受けない。」
「…いや、は?」
そんな馬鹿みたいな理由。
だけど必死に守り続けて来た、アレンデール家族会議でも可決されたこと。
「他にもアレンデール変だなーって思うことがあるなら、たぶん理由全部私な気がする。」
「あーそうなんだ。俺はてっきり信教の類だとばっかり思ってた。」
「全然。だから三月までに戦を終わらせたいハルの動きは早いと思うよー。」
私が一年の中で唯一確定で外に出られる日。
何より楽しみにしていたあの日を、パパとハルが懸命に守ろうとしてくれていた頃が今はもう懐かしい。
「…てかお前、誕生日にねだる物は可愛くなかったなあ。」
「別荘完成したらみんなでお泊まり会しよー。」
「おお、それいいなあ!」
「楽しみだなー。」
誕生日プレゼントの完成は、もしかすると誕生日には間に合わないかもしれない。
でも、別にいいんです。

